当薬(センブリ)は、胃腸の働きを整え、育毛や抜け毛予防にも効果が期待され、サプリメントやセンブリエキスとして利用されています。
当薬(センブリ)はとても強い苦味が特徴で、古くから苦味健胃薬や整腸薬として役立ってきた生薬です。
本記事では、当薬(センブリ)の特徴や効能について解説します。
当薬(センブリ)とは胃を健康的に保つ生薬のこと

当薬(センブリ)とは胃を健康的に保つ生薬のこと
当薬(センブリ)は、日本、朝鮮半島、中国に分布している植物です。
古くから民間薬として使われてきましたが、漢方薬には使われていません。当薬(センブリ)の概要は下記の通りです。
当薬(センブリ)の概要について
生薬名 | 当薬(センブリ) |
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学名 | Swertia japonica Makino |
基原 | センブリSwertia japonica Makino (Gentianaceae リンドウ科)開花期の全草 |
薬用部位 | 全草を乾燥させたもの |
産地 | 日本、朝鮮半島、中国 |
主要成分 | ・セコイリドイド配糖体(苦味成分) ・キサントン誘導体 ・トリテルペンおよびその配糖体など |
主な薬効 | ・胃液分泌促進作用などから胃の調子を整える ・食べ過ぎ飲み過ぎなどの胃のむかつきを抑える ・育毛や抜け毛予防をサポートする ・血糖値の低下を助ける |
当薬(センブリ)の主要成分
当薬(センブリ)には、以下のような成分が含まれています。
- 苦味成分
- スウェルチアマリン
- スウェロシド
- アマロゲンチン
- アマロスウェリン
- ゲンチオピクロシド
- キサントン誘導体
- スウェルチアニン
- スウェルチアノリンなど
- トリテルペンおよびその配糖体
- フラボノイド
- 揮発成分など
当薬(センブリ)に含まれるキサントンには抗酸化作用があり、キサントン誘導体には血行促進作用があるといわれています。
また、苦み成分であるスウェルチアマリンには、育毛作用があるとされています。
当薬(センブリ)の特徴
当薬(センブリ)は強い苦味成分を持つことが特徴です。
生薬名の「当薬」は「まさに薬」であることからその名前がつきました。
当薬(センブリ)は中国でも採取できますが、日本で独自に発展した民間薬のひとつで、ドクダミやゲンノショウコと並んで「三大民間薬」として知られています。
江戸時代の末期頃から、当薬(センブリ)は苦味健胃薬として使用され、虚弱な胃や食欲不振への効果が期待されてきました。
それ以前の時代には、肌着や染料の素材として利用されていたほか、ノミやシラミを駆除する殺虫剤や、防虫対策としても活用されてきました。
現在では、センブリのアルコール抽出液が頭皮の血行を促進し、発毛をサポートするとされ、育毛剤として利用されることもあります。
当薬(センブリ)の効能

当薬(センブリ)の効能
当薬(センブリ)は、胃腸の調子を整える生薬として広く使われています。
当薬(センブリ)に含まれるスウェルチアマリンという成分が、ドーパミンD(2)受容体を阻害し、胃の不調を緩和する効果があると研究で報告されました。
具体的には、次のような効果が期待されています。
- 胃弱や食欲不振、消化不良の緩和
- 食べ過ぎや飲み過ぎ、胃のむかつきの軽減をサポート
- 育毛のサポート
以下で詳しく説明します。
効果1.胃腸の働きを助ける効果がある
当薬(センブリ)は、胃弱や食欲不振、消化不良を緩和する働きがあります。
また、食べ過ぎや飲み過ぎによる胃のむかつきを抑える効果も期待されています。
その仕組みは、味覚を刺激することで唾液や胃液の分泌を促し、胃の運動を活発にすることにあります。
これにより、消化をサポートし、不快な症状の緩和に役立つとされています。
効果2.育毛のサポートする
センブリエキスに含まれるスウェルチアマリンやキサントンには、頭皮の血液循環を促進する作用があります。
センブリエキスとは、当薬(センブリ)の植物から抽出された成分を含むものです。
これにより、頭皮に十分な栄養が行き渡り、育毛をサポートするとともに、抜け毛の予防効果が期待されています。
さらに、脱毛を誘発する受容体との結合を阻害する働きも確認されており、このメカニズムを通じて抜け毛予防を助ける働きがあることもわかってきています。
効果2-1.血流改善効果が期待できる
センブリエキスには、頭皮の血管を拡張し、血流を改善する働きがあります。
この血流の活性化により、毛根に酸素や栄養素が効率よく供給されるようになり、健康的な髪の毛の育成をサポートします。
頭皮の血行を促進することで、髪の成長環境を整え、育毛効果が期待できる成分として注目されています。
効果2-2.抗炎症作用があるとされる
当薬(センブリ)には抗炎症作用があるとされています。
長期間続く頭皮の炎症は、毛包の働きを弱め、脱毛を招く主要な要因となります。
センブリエキスは、この抗炎症作用によって頭皮の炎症を抑える働きがあり、頭皮環境の維持に役立ちます。
頭皮の炎症が改善されることで、髪の毛が成長しやすい理想的な環境が整い、脱毛の予防や育毛に効果があるとされています。
効果2-3.抗酸化作用により健康的な毛髪の成長を助ける
当薬(センブリ)には抗酸化作用があるとされています。
酸化によるストレスは、毛包細胞に深刻なダメージを与え、毛髪の成長を妨げる大きな要因となります。
当薬(センブリ)の抗酸化作用は、毛包細胞を酸化ストレスから保護し、健康的な毛髪の成長を助ける働きがあります。
この効果により、髪の毛が成長しやすい環境を整えるサポートが期待されています。
当薬(センブリ)の抗酸化作用についてはさまざまな研究が進められています。
ポリフェノール酸化酵素を不活性化することにより、ジャガイモの酵素による褐色化を効率的に阻害することが明らかになりました。
このことから、食品の抗酸化能力を高める成分として使用できる可能性を示唆しています。
効果3.肝機能を保護する働きが期待できる
当薬(センブリ)から得られる成分、「テトラヒドロスウェルチアノリン(THS)」は肝臓保護を助ける働きがあることが研究で示唆されました。
研究によると、THSの働きによって、肝臓のDNAが壊れたり(DNAの断片化)、細胞の変形を防ぐ可能性があるとのことです。
また、THSによって血液中の肝臓に問題があるとわかる物質(ALT)の数値も減少しました。
近年、脂肪肝炎の発症には、腫瘍壊死因子と肝細胞アポトーシス(細胞死)が重要な要因であると報告されています。
THSは肝臓を守るために、自然な細胞死であるアポトーシスを抑える働きがあるとのことです。
この研究によって、THSが肝臓の病気に対して新しい治療法となる可能性が示されています。
効果4.血糖値の低下をサポートする
当薬(センブリ)に含まれる成分のうち、キサントンという成分の1つである「ベリジフォリン」は、血糖値の低下をサポートする働きがあることがわかっています。
糖尿病のラットを使った実験において、摂取量に応じて血糖値を下げる結果が得られました。
このことから、当薬(センブリ)には糖尿病の治療に役立つ可能性のある成分が含まれているのではと考えられています。
効果5.ピロリ菌の抑制を助ける
乾燥した当薬(センブリ)の抽出物のうち、スウェルチアノリンという成分がピロリ菌抑制の効果を示したという研究結果もあります。
また、スウェルチアノリンと抗生物質であるアモキシシリンを組み合わせることにより、ピロリ菌の殺菌作用に対して、相乗効果が期待されています。
当薬(センブリ)の副作用は、アレルギー反応、胃腸トラブル

当薬(センブリ)の副作用は、アレルギー反応、胃腸トラブル
当薬(センブリ)は、個人の体質や摂取量によって副作用が生じることがあります。
当薬(センブリ)のおもな副作用として以下のような症状が報告されています。
- 軽い胃腸の不快感
- 頭皮への刺激感
- かゆみや赤みなどのアレルギー反応
使用中に異常を感じた場合は使用を中止し、症状が改善しない場合は、医療機関に相談する必要があります。
また、センブリエキスを使用する際は、現在使用中の薬との相互作用について医療機関で確認することも重要です。
当薬(センブリ)は胃腸の働きを整え、育毛にも効果が期待できる生薬

当薬(センブリ)は胃腸の働きを整え、育毛にも効果が期待できる生薬
当薬(センブリ)は、胃腸の働きを整え、育毛や脱毛効果が期待される生薬です。
おもな効能は以下の通りです。
- 食欲不振や消化不良の改善をサポート
- センブリエキスは育毛をサポート
- 肝機能を保護する働きをサポート
- ピロリ菌の抑制をサポート
胃腸の不調や育毛などでお悩みの方は、医師や薬剤師に相談のうえ、当薬(センブリ)を検討してみてはいかがでしょうか。