薬剤性ED(勃起不全)とは?発症原因になりやすい薬や治療する方法を紹介

✗棒をもつ男性のイラスト

ED(勃起不全)は、加齢に伴い発症するイメージが強いですが、実は薬の副作用によって引き起こされるEDも存在します。

「薬を飲みはじめてから勃起しづらくなった」と感じている方は、もしかしたら「薬剤性ED」かもしれません。

この記事では、EDの基礎知識をはじめ、薬剤性EDの特徴や症状、発症原因になりやすい薬や治療方法などについて詳しく解説します。

EDの症状で悩んでいる方は、ぜひ最後までご覧ください。

目次

そもそもED(勃起不全)とは?

EDの男性を励ます女性のイラスト

ED(勃起不全)は、男性の性機能障害の一種で、「Erectile Dysfunction」の略称です。

具体的には、「満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られないか、または維持できない状態が持続または再発すること」と定義されています。

EDの症状は個人差が大きく、まったく勃起しない重度の症状から、時々勃起しない、十分な硬さが得られない、中折れするなどの軽度の症状までさまざまです。

日本性機能学会の定義によれば、通常性交のチャンスの75%以上で性交が行えない状態をEDとしています。

EDは年齢を問わず発症する可能性がありますが、加齢とともにリスクが高まる傾向があります。

薬剤性EDの特徴

薬剤性EDについて悩む男性のイラスト

薬剤性EDは、日常的に服用している薬の副作用によって引き起こされる勃起不全の一種です。

何らかの疾患の治療のために処方された薬剤の影響で、陰茎への血流が減少したり、勃起を促す神経伝達物質の働きが抑制されたりすることで発症します。

一般的に、EDは加齢とともに発症するケースが多いです。

しかし、薬剤性EDの場合は年齢に関係なく発症する可能性があり、20代や30代の方が発症するケースも少なくありません。

薬剤性EDは、特定の薬剤を服用しはじめてから勃起力の低下を感じるようになるという経過をたどることが多いです。

しかし、副作用の発現には個人差があるため、同じ薬を服用していてもEDを発症するかどうかは人によって異なります。

薬剤性EDの主な症状

EDに効果が見込める薬のイラスト

ここでは、薬剤性EDの主な症状を紹介します。

以下に該当するものがある場合は、早めに医師に相談することをおすすめします。

勃起しない・しづらい

薬剤性EDの最も顕著な症状は、勃起が困難になることです。

これは、服用している薬の副作用によって引き起こされる勃起不全の一形態です。

具体的には、性的刺激を受けても陰茎が十分に硬くならない、あるいは全く勃起しないという状態を指します。

この症状は、薬剤が陰茎海綿体の血管を収縮させたり、勃起に必要な神経伝達物質の働きを阻害したりすることで生じます。

薬剤性EDは薬の服用開始後や用量変更後に発症することが多く、それまで正常だった勃起機能に変化が現れることが特徴です。

重要なのは、このような症状を自覚した場合でも、自己判断で薬の服用を中止したり用量を変更したりしないことです。

薬剤性EDが疑われる場合は、必ず処方した医師に相談し、適切な対応を求めましょう。

朝立ちしない

朝立ちは、睡眠中に起こる自然な生理現象で、健康な男性であれば1晩に平均8回程度の勃起が起こります。

しかし、薬剤性EDを発症すると、この自然な勃起現象が減少または消失することがあります。

朝立ちの減少は、EDの最初の兆候として認識されることが多く、性機能の低下を示唆する重要なサインです。

ただし、注意すべき点として、朝立ちがあるからといって必ずしもEDではないとは言い切れません。

薬剤性EDによる朝立ちの減少の主な原因としては、服用している薬が陰茎への血流を減少させたり、勃起を促す神経伝達物質の働きを抑制したりすることが考えられます。

朝立ちが減少したり消失したりした場合、単に年齢や疲労によるものと安易に判断せず、服用している薬との関連性を疑うことが重要です。

途中で萎える(中折れ)

中折れは、最初は勃起して挿入できるものの、その後勃起状態を維持できず、性行為の途中で萎えてしまう現象です。

この症状は、薬の副作用によって引き起こされる勃起不全の一形態であり、多くの男性が悩んでいる問題です。

中折れは、満足な性行為を行うのに十分な勃起が得られない、または維持できない状態が続くというEDの定義に該当します。

中折れの症状は、年齢を問わず発生する可能性がありますが、特に20代の若い世代で精神安定剤や抗うつ薬を服用している方や、40代以降で降圧剤や高脂血症治療薬を長期服用している方に多く見られます。

薬剤性EDによる中折れは、重大な疾患のサインである可能性もあるため、症状が続く場合は放置せず、専門医に相談することが重要です。

硬さが足りない

薬剤性EDを発症すると、勃起時の硬さが不十分になることがあります。

通常、勃起は性的刺激によって陰茎の海綿体に血液が送り込まれることで起こりますが、薬剤性EDでは、服用している薬の副作用によってこのメカニズムが正常に動作しません。

具体的には、降圧剤や精神神経薬などの薬剤が陰茎への血流を減少させたり、勃起を促す神経伝達物質の働きを抑制したりすることで、十分な硬さを得られなくなります。

例えば、高血圧治療に使用される降圧剤は、血圧を下げる作用により陰茎への血流量も低下させ、結果として勃起力の低下につながる可能性があります。

このような症状に気づいた場合、自己判断で薬の服用を中止したり減量したりするのではなく、必ず処方した医師に相談することが重要です。

性欲を感じにくい

薬剤性EDを患った結果、性欲を感じにくくなったという方も少なくありません。

性欲の減退は、EDの他の症状と比べて気づきにくいことがありますが、重要な指標の一つです。

通常、性的な刺激や状況に対して興奮を感じにくくなったり、パートナーとの親密な時間に対する関心が薄れたりすることがあります。

また、性的な空想や妄想が減少したり、自慰行為の頻度が低下したりする方も少なくありません。

特に、抗うつ薬や抗精神病薬などの精神神経薬を服用している場合、セロトニンやドーパミン、ノルアドレナリンなどの神経伝達物質のバランスが乱れることで、性欲が低下する可能性があります。

性欲の低下は、単に加齢や疲労、ストレスによるものと誤解されやすいですが、何らかの薬を継続的に服用している場合は、薬剤性EDの可能性も考慮する必要があるでしょう。

薬剤性EDの発症原因になりやすい薬

EDに効果が見込める薬を手のひらに乗せているイラスト

ここでは、薬剤性EDの発症原因になりやすい薬を紹介します。

以下で服用している薬がある場合は、薬剤性EDを発症するリスクがあります。

降圧剤

降圧剤の中には、EDの副作用が報告されているものがあります。

薬剤性EDを発症しやすい降圧剤は、主に以下の通りです。

  • サイアザイド系利尿薬(ヒドロクロロチアジドなど)
  • カルシウム拮抗薬(ニフェジピンなど)
  • 中枢作用性交感神経抑制薬(メチルドパ、クロニジンなど)
  • βブロッカー(アテノロール、プロプラノロールなど)

特に、利尿薬やβブロッカーを服用している方は、カルシウム拮抗薬やACE阻害剤、ARBを服用している患者よりもED有病率が高いとされています。

降圧剤がEDを引き起こすメカニズムは完全には解明されていませんが、動脈硬化がある場合に血圧低下が性器への血流量を減少させ、EDのリスクを高める可能性が指摘されています。

精神神経薬

精神神経薬は、薬剤性EDを引き起こす可能性が高い代表的な薬剤の一つです。

特に抗うつ薬や抗不安薬が、EDの発症と関連していることが知られています。

抗うつ薬や抗不安薬は、うつ病や不安障害などの精神疾患の治療に広く使用されていますが、その作用機序が性機能に影響を与えるケースは少なくありません。

具体的には、セロトニン再取り込み阻害薬(SSRI)、セロトニン・ノルアドレナリン再取り込み阻害薬(SNRI)、三環系抗うつ薬などが薬剤性EDを引き起こす可能性があります。

これらの薬剤は、脳内の神経伝達物質のバランスを調整することで精神症状を改善しますが、同時に性機能にも影響を与えることがあり、結果として薬剤性EDにつながるケースが多いです。

ホルモン剤

男性ホルモンに影響を与える薬剤を服用している場合は、薬剤性EDを発症する可能性があります。

特に男性ホルモンに影響を与える薬剤、抗アンドロゲン薬(抗男性ホルモン薬)が問題となることが多いです。

これらの薬剤は、前立腺肥大症や前立腺がんの治療に使用されますが、テストステロンの分泌を抑える作用があります。

テストステロンは男性の性欲や勃起機能に大きな影響を与えるホルモンであるため、その分泌が抑制されることでEDを発症しやすくなります。

呼吸器官・アレルギー用剤

呼吸器官・アレルギー用剤の中には、薬剤性EDの原因となる可能性のある薬剤が含まれています。

具体的には、ステロイド剤、テオフィリン、β刺激薬、抗コリン薬、抗ヒスタミン薬(クロルフェニラミン、ジフェンヒドラミンなど)、プソイドエフェドリンなどです。

例えば、抗コリン薬には副交感神経の働きを抑制する作用があり、勃起しづらくなったというケースも少なくありません。

また、抗ヒスタミン薬は、アレルギー反応を抑制することが主な作用ですが、勃起に必要な神経伝達物質も抑制してしまう恐れがあります。

呼吸器官・アレルギー用剤による薬剤性EDは、陰茎への血流を減少させることで症状を引き起こすというのが主な仕組みです。

ただし、これらの薬剤は種類や剤形が多様であるため、EDの発症リスクは薬剤によって異なります。

抗潰瘍薬

抗潰瘍薬は、胃潰瘍や十二指腸潰瘍などの消化器系疾患の治療に用いられる薬剤ですが、一部の抗潰瘍薬(H2受容体拮抗薬やプロトンポンプ阻害薬(PPI)など)は薬剤性EDの原因となる可能性があります。

これらの薬剤がEDを引き起こすメカニズムは完全には解明されていません。

しかし、性ホルモンの代謝に影響を与えることが一因と考えられています。

例えば、H2受容体拮抗薬は、テストステロンの産生を抑制するリスクがあるとされています。

テストステロンは男性の性機能に重要な役割を果たすホルモンであり、その低下はEDのリスクを高める可能性が高いです。

ただし、抗潰瘍薬によるEDの発症リスクは、個人差が大きく、すべての患者に当てはまるわけではありません。

脂質異常症治療薬

脂質異常症治療薬は、コレステロールや中性脂肪の値を下げるために処方される薬剤ですが、一部の薬剤には薬剤性EDの原因となる可能性があります。

特に注意が必要なのは、スタチン系薬剤(メバロチン、リポバス、クレストールなど)とフィブラート系薬剤(ベザリップ、リピディルなど)です。

これらの薬剤は、コレステロール合成を抑制したり、中性脂肪を分解したりする作用がありますが、同時に勃起機能に影響を与える可能性があります。

脂質異常症自体も動脈硬化を引き起こし、陰茎への血流を減少させてEDのリスクを高める要因の一つです。

脂質異常症治療薬がEDを引き起こす明確なメカニズムは完全には解明されていませんが、肝機能への影響や代謝の変化が関係していると考えられています。

前立腺肥大症治療薬

前立腺肥大症治療薬は、薬剤性EDの発症原因として注目されています。

特に、5α還元酵素阻害薬と呼ばれる薬剤には注意が必要です。

5α還元酵素阻害薬の代表的な製品には、フィナステリド(プロペシア)やデュタステリド(ザガーロ)があります。

これらの薬剤は、前立腺細胞内でテストステロンをジヒドロテストステロンに変換する酵素「5α還元酵素」の働きを抑制することが主な目的です。

服用すれば、前立腺の肥大を抑える効果が期待できますが、同時に男性機能にも影響を与える可能性があります。

テストステロンは男性の性欲や勃起機能に重要な役割を果たしているため、その分泌が抑制されることでEDのリスクが高まると考えられています。

薬剤性EDを治療する方法

薬剤性EDについて悩んでいる男性患者の話しを聞いている医師のイラスト

ここでは、薬剤性EDを治療する方法を紹介します。

薬を変更する

薬剤性EDの治療において、原因となる薬の変更は有効な選択肢の一つです。

医師と相談しながら、EDの症状を引き起こす可能性が低い別の薬に切り替えることで、勃起機能の改善が期待できます。

例えば、降圧剤や抗うつ薬、抗精神病薬などが薬剤性EDの原因となりやすいため、これらの薬を服用している場合は、同じ効果を持ちながらもEDのリスクが低い代替薬への変更を検討すると良いでしょう。

ただし、自己判断で薬を変更することは危険です。必ず医師の指示に従い、慎重に薬の変更を行うようにしましょう。

薬の変更によって元の疾患の治療に影響が出る可能性もあるため、医師は患者の全体的な健康状態を考慮しながら、最適な治療法を提案してくれるはずです。

薬を減らす

薬剤性EDの治療方法として、原因となっている薬の減薬も効果的な選択肢の一つです。

医師の指導のもと、服用量を徐々に減らしていくことで、EDの症状が改善する可能性があります。

ただし、減薬の際は慎重に進める必要があります。

急激な減薬や自己判断での服用中止は、原疾患の悪化や他の副作用を引き起こす危険性があるため、絶対に避けなければなりません。

減薬を行う際は、定期的な診察や検査を通じて、EDの症状の改善状況と原疾患の管理状況を慎重にモニタリングしましょう。

場合によっては、薬の服用回数を減らしたり、より低用量の製剤に切り替えたりするなど、個々の状況に合わせた調整ができるケースもあります。

減薬によってEDの症状が改善しない場合は、他の治療法を検討しましょう。

ED治療薬を使用する

薬剤性EDの治療において、ED治療薬の使用は有効な選択肢の一つです。

特に、原因となる薬の変更や減量が困難な場合、ED治療薬の併用が検討されます。

代表的なED治療薬には、バイアグラ、レビトラ、シアリスなどがあり、これらは勃起機能を改善する効果が期待できます。

ED治療薬は服用後30分から1時間程度で効果が現れ、勃起しやすい状態を作り出すことが特徴です。

各薬剤によって効果の発現時間や持続時間が異なるため、生活スタイルに合わせて適切な薬剤を選択することが重要です。

ただし、ED治療薬の使用にあたっては、必ず医師の診断を受ける必要があります。

特に、硝酸剤を服用している患者や心臓病の既往がある患者は、ED治療薬の使用に注意が必要です。

薬剤性EDは自分で予防することも重要

水とりんご、ランニングシューズのイラスト

現在服用している薬がある場合でも、日頃から予防するための意識を持てば薬剤性EDを発症するリスクを低減できます。

ここでは、薬剤性EDを予防する方法を紹介します。

適度な運動をする

薬剤性EDの予防や改善には、適度な運動がおすすめです。

運動は血行を促進し、全身の健康状態を向上させる効果があります。

特に、有酸素運動は血管の健康維持に役立ち、陰茎への血流を改善する可能性があります。

ウォーキングやジョギング、水泳などの有酸素運動を定期的に行うことで、EDのリスクを軽減できるでしょう。

また、運動は体重管理にも効果的で、肥満はEDのリスク因子の一つとされているため、適切な体重を維持することも重要です。

ただし、過度な運動は逆効果になる可能性があるため、自分の体力に合わせて無理のない範囲で運動を続けましょう。

栄養バランスを考えて食事をする

薬剤性EDの予防には、バランスの取れた食事を心がけることが重要です。

栄養バランスの偏った食事や、脂質や糖質の過剰摂取は、動脈硬化や肥満などのリスクを高め、EDの原因となる可能性があります。

野菜や果物、魚介類などをバランス良く摂取し、脂質や糖質の過剰摂取を控えることが大切です。

特に、オメガ3脂肪酸を含む魚類や、抗酸化物質を豊富に含む野菜・果物の摂取は、血管の健康維持に役立ちます。

また、亜鉛やビタミンDなどの栄養素は、男性ホルモンの生成に関与するため、これらを含む食品を積極的に摂取することも効果的です。

ストレスを発散する

薬剤性EDの予防において、ストレス管理は非常に重要な要素です。

ストレスは、勃起をコントロールする神経の働きを低下させ、EDの原因となる可能性があります。

そのため、日常生活の中でストレスを溜め込まないよう、適切な方法でストレスを発散することが大切です。

趣味やスポーツなど、自分なりのストレス解消法を見つけましょう

また、深呼吸や瞑想などのリラクゼーション法を実践することも、ストレス軽減に役立ちます。

十分な睡眠を取ることも重要で、睡眠不足はストレスを増加させ、EDのリスクを高める可能性があります。

まとめ

薬剤性EDは、薬の影響によって引き起こされる勃起不全の一種であり、年齢問わず多くの男性が抱える問題です。

特に降圧剤や精神神経薬、ホルモン剤などを服用している方は、薬剤性EDになりやすいため、以前より勃起しづらいと感じた場合は、すぐに医師に相談しましょう。

薬によってはED治療薬と併用することも可能なため、現在服用している薬を変更・減薬せずにED治療ができる可能性があります。

ED治療薬は通販でも購入可能なため、自分に合う薬を既に把握している方や手軽にED治療したいと考えている方は、ぜひご検討ください。

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