ED治療薬として広く使用されているバイアグラは、ニトログリセリンなどの特定の薬剤との併用が禁止されています。
併用禁忌として医学的にも厳しく警告されており、実際に日本でも併用による死亡事故が報告されているため注意が必要です。
この記事では、ニトログリセリンの基本情報やバイアグラと併用できない理由、その他の併用禁忌薬や注意すべき薬剤などを詳しく紹介します。
安心かつ安全にバイアグラを服用するために、ぜひ最後までご覧ください。
⇒バイアグラを飲み続けるとどうなる?安全性や正しい服用方法を紹介
ニトログリセリンとは

名前は聞いたことがあっても、ニトログリセリンの仕組みや副作用について詳しく把握している方は少ないでしょう。
ここでは、ニトログリセリンについて詳しく解説します。
血管拡張薬の一種
ニトログリセリンは、硝酸薬に分類される血管拡張薬で、主に心血管疾患の治療に用いられています。
医学的には狭心症発作時の緊急治療薬として舌下投与され、冠動脈の血流改善と心臓への負担軽減を同時に実現します。
ニトログリセリンが他の血管拡張薬と異なるのは、作用部位の選択性がある点です。
低用量では主に静脈を拡張して心臓への血液還流量を減らし、高用量では動脈にも作用して末梢血管抵抗を低下させます。
このような特性から、急性心不全や肺水腫の治療にも応用されています。
作用機序
ニトログリセリンの作用機序は、一酸化窒素(NO)の産生を介した分子メカニズムに基づいています。
体内で代謝されるとNOが生成され、これがグアニル酸シクラーゼを活性化してサイクリックGMP(cGMP)の産生を促進します。
このcGMPが細胞内カルシウム濃度を低下させることで、血管平滑筋の弛緩が引き起こされるという仕組みです。
副作用
ニトログリセリンの主な副作用は、血管拡張作用に起因しています。主な副作用は以下の通りです。
- 頭痛
- 頭重感
- めまい
- 血圧低下
- 嘔吐
- 動悸
- 不整脈
- 倦怠感
- メトヘモグロビン血症
主な副作用である頭痛は、脳血管の拡張によるものと考えられています。
血圧低下によるめまいや失神のリスクもあり、特に起立性低血圧には注意が必要です。
また、重大な副作用としてメトヘモグロビン血症があり、ニトログリセリンの大量投与時にチアノーゼや呼吸困難が現れる可能性があります。
副作用を軽減するために、初回投与時には臥位でモニタリングを行うのが一般的です。
少しでも違和感を覚えた場合は、担当医師へ相談してみましょう。
ダイナマイトの原料
ニトログリセリンの歴史は1846年の化学合成に始まり、当初は爆薬原料として利用されていました。
その後、ダイナマイトとして実用化されたのが1867年です。
工場で働く作業員から「工場では発作が起きない」という報告が相次ぎ、これが薬理作用発見の契機となりました。
爆薬から医薬品への転換は19世紀頃から進み、1896年に世界初の狭心症治療薬が承認されました。
この破壊と治療の両面を持つ化合物は、現在も製造プロセスには爆発リスクが伴うため、高度な安全管理が徹底されています。
バイアグラとニトログリセリンが併用できない理由

バイアグラとニトログリセリンは、併用禁忌として医学的にも厳しく警告されています。
ここでは、併用できない理由について詳しく解説します。
急激な血圧低下のリスク
バイアグラとニトログリセリンを併用すると、血管拡張作用により急激に血圧が低下するリスクがあります。
それぞれの薬剤は、異なる経路からサイクリックGMP(cGMP)濃度を上昇させ、血管平滑筋の弛緩を促進します。
臨床データでは、併用後30分以内に収縮期血圧が70mmHg以下まで低下した症例が報告されており、この状態が持続すると血流障害が生じます。
また、血管拡張作用による致死レベルの低血圧は、起立性低血圧による転倒事故の危険性を上昇させるリスクもあります。
相互作用は服用後24時間持続するため、一定時間を空けても安全ではありません。
心臓への負担が増すリスク
バイアグラとニトログリセリンを併用すると、心筋酸素需給バランスを著しく乱し、虚血性心疾患が悪化するリスクがあります。
ニトログリセリンは冠血流を改善しますが、バイアグラは全身の動脈拡張により血圧低下を引き起こします。
この相反する作用が、心臓への負担を増加させてしまうメカニズムです。
また、臨床試験ではバイアグラとニトログリセリンの併用により、不安定狭心症から急性心筋梗塞への移行リスクを高めるとの報告もあります。
副作用が強まるリスク
通常では許容範囲で済むはずの副作用が、バイアグラとニトログリセリンを併用することで強まるリスクがあります。
特に視覚障害(青色視症)のリスクが上昇し、網膜のPDE6阻害が加わることで症状が長期化します。
さらに、硝酸剤の貼付剤やスプレーを併用した症例では、皮膚刺激と全身性の血管拡張が同時に起こり、治療困難なアレルギー反応を引き起こす可能性が指摘されています。
バイアグラの併用禁忌薬

バイアグラには、ニトログリセリンのように併用が禁止されている薬が多くあります。
ここでは、併用禁忌薬について詳しく解説します。
硝酸剤及びNO供与剤
バイアグラと硝酸剤及びNO供与剤の併用が禁止されている理由は、致死的な低血圧リスクがあるからです。
硝酸剤がNOを直接放出し、バイアグラがPDE5阻害によりcGMP分解を抑制するメカニズムが組み合わさると、収縮期血圧が50mmHg以下まで急降下する危険性があります。
臨床試験では、併用後30分以内に意識消失を起こした症例が報告されています。
相互作用は24時間持続するため時間差服用も厳禁であり、硝酸剤には貼付剤やスプレー型も含まれる点に注意が必要です。
▼硝酸剤及びNO供与剤の主な薬
- ニトログリセリン(ニトロペン舌下錠、ミオコールスプレー、ニトロダームTTS)
- 一硝酸イソソルビド(アイトロール錠、タイシロール錠)
- 硝酸イソソルビド(フランドル錠、ニトロールRカプセル)
- ニコランジル(シグマート錠)
- 亜硝酸アミル
アミオダロン塩酸塩
バイアグラとアミオダロン塩酸塩の併用が禁止されている理由は、QT延長に伴う不整脈のリスクがあるからです。
アミオダロンが心筋カリウムチャネルを阻害し、バイアグラが反射性交感神経亢進を引き起こす相乗効果で、心筋再分極時間が150msec以上延長します。
それぞれの薬剤がCYP3A4で代謝されるため、血中濃度が予測不能に上昇し、相互作用管理が不可能になります。
心電図モニタリング下でも安全域が確立されていないため、絶対的な併用禁忌です。
▼アミオダロン塩酸塩の主な薬
- アンカロン錠100
- アンカロン注150
- アミオダロン塩酸塩錠100mg「サワイ」
- アミオダロン塩酸塩錠100mg「サンド」
- アミオダロン塩酸塩錠100mg「トーワ」
- アミオダロン塩酸塩速崩錠50mg「TE」
- アミオダロン塩酸塩速崩錠100mg「TE」
- アミオダロン塩酸塩静注150mg「TE」
sGC刺激剤
バイアグラとsGC刺激剤の併用が禁止されている理由は、血管拡張作用の暴走的増幅のリスクがあるからです。
sGC刺激剤が酵素を直接活性化し、バイアグラがcGMP分解を阻害する二重作用により、細胞内cGMP濃度が通常の5~7倍に達します。
肺高血圧症患者を対象とした臨床試験では、併用群の72%に症候性低血圧が発生し、うち23%が救急搬送を必要としました。
日本循環器学会ガイドラインでは「あらゆる状況で回避すべき」と明記されており、緊急時でもICU管理下でのみ使用が検討されます。
▼sGC刺激剤の主な薬
- ベリキューボ錠(ベルイシグアト)
バイアグラの併用注意薬

併用注意薬とは、禁止はされていないが併用時に注意が必要な薬です。
併用禁止薬とは異なり、医師の判断により併用が可能な場合があります。
ここでは、バイアグラの併用注意薬について詳しく解説します。
カルペリチド
バイアグラとカルペリチドを併用すると、心筋虚血リスクの増加を引き起こします。
それぞれの薬剤が、cGMP経路を活性化して冠動脈血流が不安定化するのが要因です。
特に、心臓術後患者の低血圧発現率は3.8倍増加となります。
併用時は持続的な血圧モニタリングが必須になるため、医師の判断に任せましょう。
▼主な薬剤
- ハンプ静注用
- カルペリチド
α遮断剤
バイアグラとα遮断剤を併用すると、失神リスクが上昇する可能性があります。
血管拡張作用の相加効果により、起立性低血圧発生率が上昇するのが原因です。
初回併用時は臥位で投与し、服用間隔は6時間以上空けます。
血圧測定を1時間ごとに実施する必要があるため、医師の判断に任せることが重要です。
▼注意すべき薬剤
- タムスロシン
- シロドシン
- ナフトピジル
降圧剤
バイアグラと降圧剤を併用するリスクは、過度な血圧低下です。
Ca拮抗薬併用時、収縮期血圧が平均23mmHg低下したとの症例報告があります。
▼危険度が高い組み合わせ
- アムロジピン
- バルサルタン
- ビソプロロール
チトクロームP450 3A4阻害薬
チトクロームP450 3A4阻害薬は、バイアグラ血中濃度を最大5倍上昇させるため、QT延長や持続勃起症リスクが増大します。
▼主な薬剤
- 抗真菌薬:ケトコナゾール、イトラコナゾール
- 抗生物質:クラリスロマイシン
- HIV治療薬:リトナビル
- COVID治療薬:パキロビッド
チトクロームP450 3A4誘導薬
チトクロームP450 3A4誘導薬は、バイアグラの効果を約70%減弱させるため、ED治療の失敗率を上げるリスクが増大します。
▼主な薬剤
- 抗てんかん薬:カルバマゼピン
- 抗結核薬:リファンピシン
- 肺高血圧治療薬:ボセンタン
- ハーブ:セントジョーンズワート
バイアグラを飲んではいけない人の特徴5選

バイアグラは誰でも服用できるわけではありません。
ここでは、バイアグラを飲んではいけない人の特徴を詳しく解説します。
バイアグラの併用禁忌薬を服用している人
硝酸剤・NO供与剤、アミオダロン塩酸塩、sGC刺激剤を服用している方は、バイアグラを飲むことができません。
代表的な薬剤はニトログリセリン、硝酸イソソルビド、リオシグアトなどが該当し、これらはバイアグラの併用禁忌薬です。
併用すると血圧が急激に低下し、失神や心停止を引き起こすリスクがあります。
特に冠動脈疾患患者では、併用後30分以内に収縮期血圧が50mmHg以下まで低下した症例が報告されています。
併用禁忌薬を服用している場合は、代替法を検討する必要があります。
重篤な副作用のリスクがある病気や症状を持つ人
肝硬変などの重度肝機能障害がある場合は、バイアグラの代謝が遅れて作用が過剰に持続します。
臨床データでは、勃起持続時間が12時間を超えた事例が確認されています。
また、収縮期血圧170mmHg以上の未治療高血圧や90mmHg未満の低血圧状態では、脳出血や意識消失の危険性が上昇します。
網膜色素変性症の患者では、PDE6酵素の阻害により視野狭窄が進行する可能性があり、日本眼科学会のガイドラインで厳重な注意が喚起されています。
これらの疾患がある場合は、バイアグラ服用前に専門医へ確認する必要があります。
なお、バイアグラの副作用に関しては以下の商品ページで詳しく解説しています。
興味がある方は合わせてご覧ください。
心血管系の疾患があり性行為が推奨されない人
過去6ヶ月以内に心筋梗塞や脳卒中を発症した方は、性行為が心臓に負担をかけるため、バイアグラを飲んではいけません。
不安定狭心症や重度の心不全がある場合も同様で、バイアグラの血管拡張作用が冠血流を不安定化させるリスクがあります。
これらの状態では、循環器専門医の許可なしにED治療薬を使用するのは極めて危険です。
バイアグラの成分に対するアレルギー歴がある人
バイアグラの有効成分であるシルデナフィルや、乳糖などの添加物に対する過敏症がある場合は、アナフィラキシーショックを起こす可能性があります。
過去にED治療薬でアレルギー反応を経験した方は、皮膚パッチテストなどで反応を確認することが重要です。
バイアグラの代替薬としてはシアリスやレビトラがありますが、これらを服用する際は交差反応の可能性があるため、慎重な服用が求められます。
未成年の人
未成年のバイアグラの服用は違法ではありませんが、医学的にはおすすめできません。
その理由は、バイアグラが成人を対象に開発された薬だからです。
成長過程である未成年の服用は推奨されていないため、クリニックでも処方されません。
未成年のEDは心因性要因の場合が多いため、ED治療薬ではなく、カウンセリングが第一の治療の選択肢になります。
治療薬ではなく、根本的な原因の解明を目指すことが重要です。
⇒心因性ED(勃起不全)とは?発症する原因や有効な治療方法を紹介
⇒器質性ED(勃起不全)とは?主な症状や発症する原因を紹介
⇒薬剤性ED(勃起不全)とは?発症原因になりやすい薬や治療する方法を紹介
なお、バイアグラが効かない原因は様々です。
以下の記事で詳しい原因や対処法を解説していますので、興味がある方はぜひチェックしてください。
⇒バイアグラが効かない?効果を実感できない原因やすぐにできる対処法を紹介
【Q&A】バイアグラと薬の併用に関する疑問

最後に、バイアグラと薬の併用に関するよくある疑問について詳しく解説します。
- 風邪薬は併用できる?
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バイアグラと風邪薬の併用は基本的には可能です。抗ヒスタミン剤を含むアレルギー薬や解熱鎮痛成分に関しては、相互作用が確認されていません。
ただし、抗生物質が含まれる風邪薬の場合は、CYP3A4阻害作用によりバイアグラの血中濃度が上昇する危険性があります。
バイアグラと併用できる風邪薬を選ぶ際は、抗生物質無配合を確認したうえで、必ず成分表示をチェックしましょう。
- 胃薬は併用できる?
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バイアグラと胃薬は併用できますが、シメチジンが例外になる点に注意が必要です。
シメチジンはCYP3A4酵素を阻害するため、バイアグラの代謝を遅らせ作用時間を延伸し、持続勃起症の発生率を上昇させるリスクがあります。
H2ブロッカーや制酸剤、プロトンポンプ阻害薬は問題なく併用可能のため、胃薬を服用する場合は必ず成分を確認しましょう。
- 頭痛薬は併用できる?
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ロキソニンやイブプロフェンなどの頭痛薬は、安全にバイアグラと併用できます。
特に即効性があるロキソニンは、バイアグラの血管拡張性頭痛を緩和するのに便利です。
ただし、併用する際は以下の2点に注意しなければいけません。
- 空腹時の併用を避ける
- 1日の最大用量を超えない
また、同じ頭痛薬でもアスピリン配合剤は抗血小板作用が相加され、鼻血が出る可能性が向上するため注意が必要です。
- サプリメントは併用できる?
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マカや亜鉛などの一般的なサプリメントは問題なく併用できますが、NOブースターと称する製品には注意が必要です。
NOブースターの製品は一酸化窒素産生を促進するため、バイアグラとの相乗作用で収縮期血圧が20mmHg以上低下する事例が報告されています。
また、高濃度DHA/EPAサプリも、血小板凝集抑制作用が相加され出血リスクが増すため注意が必要です。
- ED治療薬は併用できる?
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バイアグラと他のED治療薬の併用は絶対禁忌です。
シアリスやレビトラなどのED治療薬を併用すると、血管拡張作用が過剰になり、血圧が危険なレベルまで低下するリスクがあります。
また、作用時間が異なるED治療薬の併用も禁止です。
効果が不十分な場合は併用するのではなく、用量や他薬剤への変更を検討しましょう。
- 薄毛治療薬は併用できる?
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薄毛治療薬は作用機序が異なるため相互作用がなく、併用は問題ありません。
ただし、デュタステリドは微弱のCYP3A4阻害作用があり、外用ミノキシジルは過剰使用で血管拡張作用が相加される可能性がある点に注意が必要です。
健康な人であれば問題ないため、心配であれば医師へ相談してみましょう。
まとめ
ニトログリセリンとは、主に心血管疾患の治療に用いられる血管拡張薬です。
バイアグラの併用禁忌薬は医学的に厳しく警告されており、併用すると急激な血圧低下や心臓への負担増などのリスクがあります。
ニトログリセリン以外にも、カルペリチドやα遮断剤、チトクロームP450 3A4阻害薬など、様々な併用禁忌薬があることも忘れてはいけません。
知らずに併用すると失神や心停止など、取り返しがつかない事態に陥る可能性もあるため、判断が難しい場合は必ず医師へ相談してください。
なお、バイアグラは個人輸入代行販売サイトを使い、クリニックでの診察やオンライン診療を受けることなく購入できます。
バイアグラの購入を検討している方は、ぜひ以下の詳細ページをご確認ください。