トビエースは、過活動膀胱の治療に用いられるお薬です。

有効成分としてフェソテロジンフマル酸塩が配合されており、急な強い尿意（尿意切迫感）や頻繁な尿意（頻尿）、意図せず尿が漏れてしまう切迫性尿失禁といった症状を改善する効果が期待できます。

大手製薬会社ファイザーによって開発されたこのお薬は、副作用を軽減しながら効果の安定性を高める「プロドラッグ」という設計を採用している点が特徴です。

トビエースは、同じくファイザー社が開発した過活動膀胱治療薬「デトルシトール」を改良して作られました。

デトルシトールで見られた効果の個人差という点が改善され、より多くの方が安定した治療効果を得やすくなっています。

また、剤形がカプセルから錠剤に変更されたことで、飲みやすさも向上しました。

効果の安定性が向上したことで、より高用量での使用も可能となり、症状改善への期待が高まっています。

プロドラッグとは、体内に吸収されてから代謝される過程で初めて薬としての効果を発揮するように設計されたお薬のことを指します。

トビエースの場合、この設計により、有効成分が必要な場所（主に膀胱）で効率的に作用しやすくなります。

その結果、全身への影響が抑えられ、副作用のリスクを低減しつつ、安定した治療効果が得られるという利点があります。

トビエースは、過活動膀胱によって引き起こされる様々な症状の改善に効果を発揮します。

具体的には、「突然、我慢できないほどの強い尿意を感じる（尿意切迫感）」、「日中や夜間に何度もトイレに行きたくなる（頻尿）」、「尿意を感じてからトイレに間に合わず漏らしてしまう（切迫性尿失禁）」といったお悩みの軽減が期待できます。

膀胱が過剰に収縮するのを抑えることで、これらの症状を和らげます。

トビエースの有効成分は、服用後、体内でゆっくりと吸収されます。

一般的に、服用してから約5時間後に血中濃度が最も高くなり、効果のピークを迎えます。

効果の持続時間は個人差もありますが、およそ7時間から10時間程度とされています。

トビエースは有効成分が徐々に放出される「徐放性製剤」であるため、1日1回の服用で効果が長く続くように設計されています。

トビエースは、1日に1回、水またはぬるま湯で服用してください。

服用を開始する際は、通常、有効成分フェソテロジンフマル酸塩として4mg（トビエース4mg錠なら1錠）から始めます。

効果の現れ方を見ながら、医師の判断により、1日の最大用量である8mg（トビエース4mg錠なら2錠）まで増量することが可能です。

毎日なるべく同じ時間帯に服用すると、効果が安定しやすくなります。

いいえ、トビエースの錠剤は割ったり、砕いたり、すりつぶしたりせずに、必ずそのままの形で服用してください。

このお薬は「徐放性製剤」といって、有効成分が体内でゆっくりと時間をかけて放出されるように特殊な加工が施されています。

錠剤を加工してしまうと、成分の放出速度がコントロールできなくなり、期待される効果が得られなくなったり、予期せぬ副作用が現れたりする可能性があります。

飲み忘れに気づいた場合は、できるだけ早く1回分を服用してください。

ただし、次の服用時間が迫っている（おおよそ半日以内など）場合は、忘れた分は服用せず、次の通常の服用時間に1回分だけを服用するようにしてください。

一度に2回分をまとめて服用することは絶対に避けてください。

判断に迷う場合は、医師や薬剤師にご相談ください。

トビエースの服用で最も多く報告されている副作用は、口の中の渇き（口内乾燥）です。

その他に、便秘、目のかすみ、めまい、頭痛、消化不良、排尿困難などが起こる可能性があります。

これらの副作用の多くは軽度であり、お薬の作用（抗コリン作用）に伴う一時的なものであることが多いですが、症状が気になる場合や、日常生活に支障が出るような場合は、医師にご相談ください。

トビエースは、従来の同系統のお薬と比較して、副作用が軽減されるように改良されています。

はい、以下のような方はトビエースを服用することができません。

• 尿が全く出ない、または出にくい状態（尿閉）の方
• 眼圧がコントロールできていない閉塞隅角緑内障の方
• 胃腸の出口や腸管が塞がっている、または動きが著しく悪い（麻痺性イレウスなど）方
• 重症筋無力症の方
• 重度の肝機能障害のある方
• 重篤な心臓病をお持ちの方
• 過去にトビエースの成分や酒石酸トルテロジンでアレルギー反応を起こしたことがある方

また、以下に該当する方は、服用を開始する前に必ず医師への相談が必要です。

• 前立腺肥大症など下部尿路に閉塞がある方
• 消化管の動きが低下するリスクのある方
• 潰瘍性大腸炎の方
• 眼圧が調整可能な閉塞隅角緑内障の方
• 狭心症などの虚血性心疾患がある方
• 甲状腺機能亢進症の方
• パーキンソン症状や脳血管障害のある方
• 認知症や認知機能障害のある方
• 腎機能障害（特に重度）のある方
• 肝機能障害（中等度または軽度）のある方
• 妊娠中または妊娠の可能性がある方
• 授乳中の方

お子様への使用に関する安全性は確立していません。

トビエースと一緒に服用してはいけない「併用禁忌」の薬はありません。

しかし、「併用注意」として、飲み合わせに注意が必要な薬がいくつか存在します。

例えば、他の抗コリン作用を持つ薬（一部の抗うつ薬、パーキンソン病治療薬、風邪薬など）、特定の抗真菌薬（イトラコナゾールなど）、抗生物質（クラリスロマイシンなど）、肝臓の薬物代謝酵素（CYP3A4やCYP2D6）の働きに影響を与える薬などです。

これらの薬と併用すると、トビエースの効果が強く出すぎたり、逆に弱まったり、副作用が現れやすくなる可能性があります。

現在服用中の薬がある場合や、市販薬、サプリメント（特にセイヨウオトギリソウ（セント・ジョーンズ・ワート）含有食品）を使用する場合は、必ず事前に医師や薬剤師に伝えてください。

トビエースを服用すると、副作用として目のかすみ、めまい、眠気などが現れることが報告されています。

これらの症状は、注意力や集中力、反射運動能力に影響を与える可能性があります。

そのため、トビエースの服用期間中は、自動車の運転や、危険を伴う機械の操作、高所での作業などを行う際には、ご自身の体調に十分注意し、慎重に行うようにしてください。

もしこれらの症状を感じた場合は、危険な操作は避けるようにしましょう。

まずは、医師から指示された用法・用量を守って、一定期間服用を続けてみることが大切です。

効果の発現には個人差があります。

それでも症状の改善が見られない、あるいは効果が不十分だと感じる場合は、自己判断で服用を中止したり、用量を変更したりせず、必ず処方した医師に相談してください。

医師は症状や副作用の状況を確認し、用量の調整（1日最大8mgまで）を検討したり、他の治療法への変更を考えたりすることがあります。

過活動膀胱以外の原因が隠れている可能性もあるため、改めて診察を受けることが重要です。

当サイトでは、お客様が安心してトビエースをご利用いただけるよう、医薬品の安全性確保に細心の注意を払っております。

取り扱いを行うサプライヤーについては、正規の医薬品取り扱いライセンスを保有していることを厳格に確認しています。

さらに、流通プロセスにおける偽造品の混入リスクを限りなく低減するため、第三者の専門機関に対して定期的に成分鑑定を依頼し、品質の維持・管理を徹底しております。

これらの対策を通じて、信頼できる正規品のみをお届けできるよう努めています。

トビエースの品質を保つために、適切な環境で保管してください。

光、高温、湿気は薬の変質を招く可能性があるため、直射日光の当たらない、湿気の少ない涼しい場所に保管するのが基本です。

特に夏場の車内など、極端に温度が高くなる場所には放置しないようにしてください。

また、誤飲を防ぐため、小さなお子様の手の届かない場所に保管することも重要です。

箱やシートに記載されている使用期限を確認し、期限を過ぎたものは使用しないでください。